糖尿病に「水を差す」  

糖尿病に「水を差す」

「手前はガキっぽいなぁ」、そう思う時があります。
砂糖の摂り過ぎに少々害があるにしても、そんな事ぁ世の中の大半の方々は気にしちゃいません。そんなややこしい事考える暇があれば、砂糖の様に甘いスィーツな風潮の風が吹く世間を泳いでた方が楽しい。おいらみたいにいちいち五月蝿い奴は、唐変木ですな。
そのうえ「おせっかい」な気質ですんで、あまりブログ巡りも出来ません。何か余計なお世話が始まっちゃ、人様に迷惑かけちまいますからね。気になる事には口を挟みたくなる厄介な性格はなかなか直んねぇっす。


店のお客さんにも色々余計な説教するんですが、こないだあるお客が、


「おらぁ、医者に血糖値が高いから要注意って言われたよ。でもな、俺ミネラル飲んでんだよ。値段高いけどよ。効果あるんだよやっぱりよ。魚ちゃん板前だけど、ミネラルウォーター飲んでんだろうな?身体の健康の為に飲まなきゃな。安い奴は駄目だから、良いモンな」


要するにミネラルウォーターには保健効果があると思い込んでるんですよ。
さすがにもう面倒くさくなって、適当にお茶を濁しましたけど、こういう人は多いんでしょうなぁ。
ミネラルウォーターって名がよくないですね。そもそもこれから「ミネラル」など摂取出来ません。あらゆるミネラル名が誇らしげに表示されてますが、その「量」を読んで下さい。風呂桶満杯の水を誰が飲めるんだって話。




世の中の食指向見てる限り、糖尿病は確実に増える一方でしょう。
脳のエネルギーにはブドウ糖が必要ですから、血中100mlに対して70~110mgのブドウ糖が定量として含まれています。この値を安定させているのが膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌される「インスリン」です。
このインスリンが正常に機能しないのが糖尿病ですね。
この病気の一番恐ろしいところは、合併症で失明したり腎臓に異常を引き起こしたり、足を切断したりする事よりも、


悪化するまで自覚症状がまったく出ないことです。


食習慣や生活を改善すればたいして恐い病気じゃないんですが、人間ってのは何らかの自覚症状が出ない限り、生活習慣を変えない生き物です。
だから完治が困難で長引く事になる。


日本人が罹る糖尿病の9割以上が2型糖尿病で、食習慣の悪さから来る肥満体質が大きな原因になります。
1型は子供に多く、インスリン分泌細胞異常が原因で、インスリン投与が欠かせず、その調節も難しい気の毒な病気で、周囲の理解と配慮が求められます。
問題は言うまでもなく2型ですね。これはある意味自分で呼び込む病気といえるからです。


糖尿病と闘っている人には切実な話なんでしょうが、下らない「噂」やデタラメな「宣伝」を相手にしないストイックさを持って下さい。
ある種のイモやある種の葱が効果があるって話や、「**効果で血糖値が正常になる」なんて話に飛びついちゃいけませんよ。
その種の健康食品が例えインスリンや血糖値を正常にする成分を含有していようと、それは「市販の風邪薬」以下の効果しかありません。成分が微量すぎて、実質的な効果など得られようがないって事です。
風呂桶満杯の水は飲めないっていうことですよ。


薬は医者の処方薬を使い、何より肝心な食習慣は、糖分と刺激物を控えた少量多品種の食事を摂りましょう。糖尿病食という響きはいかにも病人食ぽっくて、寂しい食卓をイメージするかも知れませんが間違いです。『華やか』な食卓を目指したほうが良いですね。食事時間が来るのが楽しみ、そんな食事にしましょう。
自分自身でメニュー作りに参加するのが最も良い方法です。

Posted by 魚山人 2007年12月10日



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