二番  

二番

運営なさってる方はつとに承知でしょうが、ブログやHPのページ製作にはウンザリするくらい時間をくいます。

ばたばたしなきゃいけない個人店の親父がそんな時間なんぞ捻出できるわけがない。ところがおいらはそれをやってる。

それが可能なのは『二番』っていう存在があるからなんですよ。長い年月、おいらに付いてきてくれた板です。

 

蹲(つくばい)と紙砥石

コックさんの世界では料理長(シェフ)の下に「セコンド」ってのがいます。和食も同じでして料理長のすぐ下に脇板ってのがいます。オヤジ(料理長)が「板前」だから「脇板」なんですよ。この脇板を『二番』と称します。大型店でもなけりゃ、かつオーナシェフの店でもなければこの二番が料理長・調理長になります。つまり板場の事実上のトップで店を切り盛りする人なんですよ。

この男がおいらに仕事をさせてくれんのです。
板場に出てウロウロしてると邪魔くせぇし、うるせぇんで引っ込んでろって事なんでしょうか(笑)。まぁそんなことはありませんが、何かをいちいち指示する必要がない腕を持ってるから「番手」(二番)をやらせているわけです。

こいつが30を越えたあたりからおいらはそれとなく「そろそろ店をかまえる頃合か」ってな想いをもっておりました。ところがこの野郎がギャンブル好きでしてね、身を持ち崩すほどの間抜けではありませんけども、止められんみたいなんですよ。でもそれがあるから結局独立が遅延しております。

そこでじっくり話をしてみました。

「おまえさんは、【蹲(つくばい)と紙砥石】、板前としてどちらを選ぶ?」

※詳しくは省きますが「打ち水」「盛り塩」「つくばい(手清め)」は日本家屋玄関の三セットです。


紙砥石

使い古した砥石で、表面を平らなままにしておけば紙の様に薄くなり、最後は別の砥石に吸着させて使えば、消えてなくなるまで使用可能です。

和食か日本料理か、それを問うただけではありません。

金はあっても心根が貧賤な人間は沢山いる。
「金さえあれば何でも有りかぃ、それが文化ってもんなのかね」
若い時からこの考えがおいらの持論です。

おいらの質問を計りかねていたようですが、真意は説明せず課題にしておきました。宿題ですな。

もしあなたが板前なら「蹲」と「紙砥石」どちらを選びますかな?



どちらにしましましても店は一代限り。
この男が独立を果たしたら暖簾は下す心積もりです。


2009年04月05日










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