料理人の独立  

料理人の独立

料理の修業は独立を前提にしたものです。
そこから離れたら独創性も遠くに行ってしまいます。

この20~30年の間に蟻の這い出る細穴さえ無い程に「巨大なシステム」による「全国統一商売」が構築され続けていて、個人店の出店を困難にしていくばかりでした。

これでは料理を作る人間はサラリーマンとして道を立てるしかなく、職人という言葉が「あってなきもの」に落ち着いたという構図です。

ところがどんなに堅牢巨大な構築物であろうと必ず「すきま」があり、その間隙を巧くつかまえてしまう料理人もいないことはない。

でもそれは極限られた一部の例外にすぎません。
今現在は大変な時期だと皆が共通して感じているでしょう。

一ヶ月先にどうなるか分からない。その不安がある。
余分な事を考える精神的な余裕など微塵も無いかも知れません。

でもね、チャンスなんですよ今は。
「巨大なシステムのすきま」がすき間じゃなくて「倒壊」を見据えた「ほころび」になっているからです。

もう「日本中何処に行っても同じ」ってのに国民が飽きてしまい、おまけにこの数年で食の安全問題が多発して、厭いただけじゃなく信頼もしてないからです。

さっき書いた様に大部分の料理人は会社員ですから、システム倒壊はそのまま失業って事になる訳で、現実的には逆風でしょう。

しかし「すきま」は確実に拡大します。

隙間を埋めるもの。
そのキーワードは「遠くの物より手の届く方」になるのではないでしょうか。

独立を狙って腕を磨く料理人のチャンスが多くなる。
そんな時代が目前に来ている気がします。

何故なら「作り手の見えない料理は『遠く』、たとえ温製でも"冷たい"」からです。



レンジでチンする豪華な冷凍タラバか

野暮ったい煮物か

ここらへんから見えてくる料理人も増えることでしょう。


2009年03月04日

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