根曲がり竹【姫竹】

根曲がり竹

モウソウチクとハチクの時期は去ろうとしていますが、今から6月頃までは姫竹の美味しい時期になります。姫竹とはネマガリダケ(根曲竹)のタケノコで、根曲竹はコウライザサ、アサヒザサ、ゴサンチク(五三竹)、ジダケ、ヤマダケ、など色々な別名がありますが、正確にはイネ科ササ属のチシマザサ(千島笹)です。

板前がこの中から献立に書く字ヅラを選ぶとすれば、当然ながら最も美しい『姫竹』を使う事になるんですが。

瓶詰めなどが年中出回ってますけど、香りは望むべくもありません。山菜は香りが命ですので旬を楽しむべきものです。

この「根曲がり竹」の名は茎の根元から反り返るように曲がって伸びることからなんですが(積雪の重みによる)、そのせいか曲げに強く、水にも強い性質があります。これは調理用のザルに最適ですな。特に蕎麦用に良いです。ですから蕎麦屋はこの竹で編まれた笊を好んで使います。

淡白で灰汁(あく)が少ないので食べやすく、採り立てはアクを抜かず食べられます。北海道から東北地方、長野県の北部にかけて、郷土の食材として人気が高い山菜です。積雪の多い北日本の山深くの斜面に生育する植物だからです。

故郷がそちら方面の方は、きっとお母さんやお婆ちゃんが作ったネマガリダケの煮物をよく憶えていらっしゃる事でしょう。故郷の味って奴ですな。田舎の無いおいら達にはうらやましい話です。

それと奥信濃と上越地方の方々は今頃【サバ缶の味噌汁】を召し上がってるのではないでしょうかねぇ。根曲竹と鯖の水煮缶詰を具に作る独特の味噌汁です。

山形で見た記憶をたよりにちょいと田舎風に煮てみました。口当たりと香りを楽しみながらおかずと言うよりもアテにして美味しかったです。

天ぷら・素揚げ・煮物・和え物・味噌汁など色々な食べ方がありますが、採り立てを素焼きにするのが一番旨いですね。しかし残念ですがこの食べ方は産地でしか出来ません(もしくは極めて新鮮か小振りか)。時間がたつと急速にえぐ味が出て固くなります。ですので一般的にはやはりアク抜きが必要です。米のとぎ汁か糠で茹でて灰汁抜きしてから使いましょう。皮は簡単に手で剥けます。

山菜にしてはえぐ味が少なく、タケノコらしく香りも芳醇。サイズも良く思わず食べたくなる可愛さもあります。タケノコの原産は中国だとされますが、これは日本原産だと考えられますし。形もいいし名前も「姫竹」とくれば、これは初夏にぜひ食べておきたい季節野菜ですね。


長野県産 ネマガリダケ 旬:6月上旬~下旬

標高700メートル以上の霧に包まれる山地に生える山菜。山の多い長野県でも産地はごくわずかに限られており、太い一級品が採れる場所はその中でもごくごく一部。そのためとても価値のある山菜です。

アク抜きが必要な他の山菜に比べその必要がなく、味は上品で舌触りや香りもとても良いタケノコで、北信濃でタケノコといったらこのネマガリタケを差します。新鮮なものは味噌を付けて生で食べられる程。

天ぷらや煮物、焼き物とどんな料理にも合いますが、北信濃で最もポピュラーな食べ方はサバの水煮を使った味噌汁。山で食べるこのタケノコ汁はまさに至福の味。その味を皆様のご自宅でも楽しんでいただけます。鮮度は折り口を見れば一目瞭然。

発送するネマガリタケは、朝露の乾かぬうちに収穫。雪解けの沢の水で丁寧に洗い、皆様のお手元に発送いたします。

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