注意を要する食品添加物~ポストハーベスト(防カビ剤)


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ポストハーベスト

イマリザル

チアベンダゾール / TBZ

オルトフェニルフェノール / OPP

ジフェニル / DP


ポストハーベストとは「ポストハーベスト農薬」のことで、耕作中ではなく収穫の後に使用する農薬のことです。

その目的は、収穫後の流通~販売に至る過程で、農産物の品質を維持するためで、腐敗やカビを防ぐ、加えて「見た目の良さ」を保つためです。

これが「食品の保存に該当する」ということで、防カビ剤などの一部の農薬を、食品添加物として認めています。

農薬の目的は生物を殺すことです。
生き物を滋養する栄養と正反対の存在だといえましょう。

こうした物質を食品の添加剤に使用する是非、その安全性と危険性に対する議論が絶えませんが、そもそもなぜ議論が起きるのか不思議になってきます。

議論の余地など無いと思うからです。
殺すことだけが目的で製造された化学物質を、なんでヒトが食べる食品に添加しなきゃいけないのかと。

誰が考えてもそんな事は異常であって、だからこそ日本の当局も農薬を食品添加物として認めてはいなかったのです。

それなのに、なぜ今は使用を認めているのか。
簡単にいえば、北米に自動車などを輸出する代償です。
北米産の柑橘類を、コストを抑えて大量に日本に運びたいというアメリカやカナダの圧力に、日本の政治が屈したということですね。

以前は危険であるという立場だった厚生省(当時)も、それからは「危険はない」の一点張りです。

米国等に自動車などの禁輸措置をされたら困るという政治判断を受け入れ、国民の安全を無視したわけです。 一部の大企業のために国民を犠牲にするというスタンスは、もはやこの国の伝統といってもよいでしょう。

「ヒトを殺せる猛毒であっても十分に濃度を薄めれば人体に影響はない」「人体に悪影響を与えるカビを殲滅できるのだからむしろ有益である」
そんな理屈を押し通しているわけですけども、自然界に存在しない化学毒がいかに希釈されようとも、それが体内でどのような作用をしているのか誰にも分かりません。

大部分は体内の防衛機構によって阻まれ、体外に排泄される筈ですが、残留する場合もあるでしょうし、それが長年蓄積したときに何が起きるのか、他の体内物質との関連や個人差などもあって調べようがないからです。

賛否両論がありましょうが、現状は以下の通り。
ポストハーベストを使用した食品は今でも大量に店頭にあり、日本人はそれを日常的に食べている事、そしてその農作物を作った生産者はそんな物を絶対に食べないという事です。もう一つ、ガン患者は年々増加する一方ですが、その原因の殆どがいまだに謎だという事。

Imazalil

イマザリル

イマザリルは、防かび剤の一つでグレープフルーツ、オレンジ、レモンなどのかんきつ類とバナナに使われています。
イマザリルというのは商品名で、一般名はエニルコナゾール(Enilconazole)
厚労省が認可する食品添加物のひとつでもあります。

認可されたのは1992年。
それ以前は食品添加物どころか農薬としても使用が認められていませんでした。
20g程度でヒトが死ぬ急性毒性を持ち、慢性的にも肝臓や神経系に異常を与えるという報告が多い、いわくつきの添加物です。

Thiabendazole

チアベンダゾール / TBZ

チアベンダゾールは、グレープフルーツ、レモン、オレンジ、バナナの輸入の際に使用される防カビ剤です。
通常はTBZという略称で呼ばれます。
1978年に食品添加物として認可されました。アメリカ政府の要求を受け入れた形での認可です。

当時の東京都立衛生研究所の動物試験によると、妊娠マウスへの投与で胎児に奇形が多発し、催奇形性が認められましたが、例によって厚生省はこのテスト結果を無視しました。アメリカ・日本政府の圧力があったのは確実でしょうね。

少なくとも妊婦さんは、TBZを使用している食品を食べないことです。このようなものを食べなければいけない理由はどこにもありません。

2-Phenylphenol

オルトフェニルフェノール / OPP

OPP(オルトフェニルフェノール)は1955年から農薬として使用されていましたが、発がん性の疑惑が濃厚であることなどから1969年からは農薬としても使われていませんでした。

ところが、1977年に食品添加物として認可されます。 OPPに関しては当時の厚労省も70年代前半から強く規制していたのですが(1975年、アメリカ産グレープフルーツにOPPの残量が認められ、厚生省はこれを食品衛生法違反だとして海に捨てるように命令)、これに対して激怒したアメリカは、経済制裁も辞さぬ勢いで日本政府に認可を要請。 結局、アメリカの圧力に負けた形での認可です。

OPPにナトリウムを結合させたOPP‐Na(オルトフェニルフェノール‐ナトリウム)も、やはり発がん性がありますが、OPPと一緒に認可されて同様に使われています。

発ガン性がないというのなら、まずアメリカのカンキツ農家が進んでOPPまみれの農産品を食べてみせて欲しいものです。

防カビ用として柑橘類に使われているほか、残念なことに木製・竹製の「巻き簀」や「割り箸」などのカビ防止に使っている業者もいます。巻き簀は洗って使うにしても、割り箸は直接使うしかないわけですから、酷い話ですね。

biphenyl

ジフェニル / DP

ジフェニル(別名;ビフェニル)は最も古くから使われている防カビ剤です。(外国では1930年代から使用されています)

動物実験では、赤血球のヘモグロビン値低下、尿細管萎縮拡張などが認められ、腎臓や膀胱への悪影響がみられたという報告があります。

今でも輸入のグレープフルーツ、オレンジ、レモンなど柑橘類に使用されている認可食品添加物ですが、近年はDPでは死滅しないカビがあることが分かった為、あまり使われなくなっているようです。





手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人