偽のオリーブオイル


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エキストラバージンオリーブ油よ、おまえもか

国際オリーブオイル理事会によって定められている、オリーブオイルの国際基準は次のようになっています。

●バージンオリーブオイル
健全なオリーブの果実から
油が変質しない温度で物理的に採油し
洗浄、澱の除去、遠心分離、濾過以外の処理をしていないもの

●エクストラバージンオリーブオイル
バージンオリーブオイルのうち、遊離酸度がオレイン酸換算100gあたり1g以下のもの
フルーティで、味・香りの欠陥がゼロであること

オリーブオイルを昔から日常的に使用している南欧の人々(ギリシャ・スペインなど)に、循環系の病気や癌が少ないことはよく知られています。

これは、オリーブオイルはあらゆる油に比べて「単不飽和脂肪酸」がダントツに多いからであると考えられています。

簡単に言うと加熱しても酸化しにくいのですな。
その特徴が最も顕著なのが搾りたてのバージンオリーブオイルの中でも最上質とされる「エクストラバージンオリーブオイル」です。だからこそ、遊離酸度に厳しい基準を設けているのですよ。

オリーブ油に関しての知識はソコソコ持っているつもりでしたが、この本を読んで「浅知恵だった」と反省させられました。

『エキストラバージンの嘘と真実 ~スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界』
エキストラバージンの嘘と真実

読んだのは移動中の乗り物の中。
旅の途中というわけですが、内容が面白すぎて自宅の書斎にいるような錯覚さえ覚えました。自分が今何処にいるのか分からないという(笑)

結論から言うと、
「現代人が求める味は、本物と乖離している」
そういうことですね。

「これが昔からある混ざり気のない正真正銘の○○○だよ」
「食べてごらん。偽物と違って旨いだろう?」

「え~、何これぇ~マズイ。食べれない(飲めない)」

まぁ~、こんな例がどんだけあることか(笑)
天然の近海魚から野菜、調味料、加工食品・・・・
その代表的な例が「鮭」「まぐろ」です。

紹介した本は次のような内容、

・「エキストラバージン」の名が冠されていながら、中身は精製オイルやオリーブ以外の原料からつくった安いオイルが混ぜ込まれているケースが相次いで発覚

・安い偽装オリーブオイルの市場流入は、消費者を欺くだけでなく、市場価格の下落を引き起こし、高品質なオリーブオイルを生産する事業者は存続が危ぶまれる状況

その背景にあるものは?

・食品の品質を監督する政府と業界の癒着
・マフィアの暗躍
・植物油の精製加工技術の進歩、弱腰の食品行政
・EUの農業保護政策の弊害

こうした要素が複雑に絡み合って【エクストラバージンオリーブオイルの多くがニセモノ】という現状。

何よりも大きな原因は、消費者がバージンオリーブオイル独特の強い芳香や「苦み」や「辛み」を、良くないもの(品質が悪い・ニセモノ・二流三流品)と勘違いしていることである。

薄くてサラサラ、香りも色もライト(笑)
こんな風な使いやすい便利なモンを「本物と思い込みたがる」

もしくは、「本物でなくても安くてサラサラの方がいい」

こういうマインドが、利潤だけが目的の企業、さらには「ニセモノ業者」「犯罪組織」を儲けさせる結果になっているわけです。

それだけじゃなく、「昔通りの方法で真面目に製造している」農家や業者を廃業に追い込んだり、やる気を失くさせたりしているんですよ。

「化学調味料・添加物が体に悪い」
これは一概に言えない面もありますが、
(※正確には、「悪いもの」「グレーなもの」「食べても問題のないもの」が混在しているということです)

決定的だと言えるのは、
【現代人の味覚を変えた】という事実。

ナチュラルな食材を「おいしくない」と言わせてしまう。
麻薬的、砂糖蜜的な、後戻りできない【加速度】

生産と販売;「それが売れるから」
消費者;「それしか売ってないから」

どちらの言い分が本当なんでしょうかねぇ。

今では「消費者」と「生産者」が「卵と鶏状態」
どちらに責任があるのか、もう分からないって感じですね。

エクストラバージンオリーブオイルも、こうした「構造」につかまってしまっているという事です。

国内のオリーブオイルも同じこと。

先に答えを言ってしまおう。
 一言で言うと、偽装が蔓延するヨーロッパや米国と大差ない状況である。・・・・・日本での品評会、エキストラバージンオイルの3割がニセ物:日経ビジネスオンライン



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手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人