【減塩への疑問】減塩は正しいのか


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「塩分10g」ってどうやって計算するの?

「塩の摂り過ぎは高血圧を招く」
これは、今現在どんな本を読んでも、ネットで検索をかけても、必ず書かれている文句であり、疑いのない事実であり常識ということになっております。

日本人の食塩摂取量が平均で1日12gとされていますが、「多すぎてけしからん」らしいですな。

厚生労働省がいうには「1日で10g」
医療関係の推奨は8g以下
高血圧の人は6g以下にするべき
そうなっています。

ウィキペディアにはこう書かれています。

食塩の過剰摂取が高血圧の大きなリスクとなるのは、身体の電解質調節システムに原因がある。

細胞外液中でナトリウムをはじめとする電解質の濃度は厳密に保たれており、この調節には腎臓が大きな役割を果たしている。

すなわち、濃度が正常より高いと飲水行動が促され、腎では水分の再吸収が促進される。反対に、濃度が低い場合は腎で水分の排泄が進む。

結果として、血中のナトリウムが過剰の場合は、濃度を一定に保つため水分量もそれに相関して保持され、全体として細胞外液量が過剰(ハイパーボレミア:hypervolemia)となるのである。

分かりやすく言いますとね、

・食塩をとり過ぎると、血液中のナトリウムが増えて浸透圧が高くなる
・これを薄めようとして細胞から水が浸透する
・その結果、血液量が増える
・血液量が増えることで圧力が高まる
(細胞の膨張によって血管が狭くなる)
・したがって血圧が上がり、高血圧になる

そういうことです。
また、細胞外液量が過剰になるということは、「むくみ」になるということでもありますから、塩を摂ると「水太り」になるとも云われてます。

百歩譲って「その通り。異存ありません」としましょう。

でもね、そもそもどうやって「10g」という数字を割り出せばいいんです?

塩は、味噌やしょう油だけに含まれているわけではなく、「ほぼ全部の食品」に含まれているんです。パンとか麺にも含まれていますが、そういうのは調味料と違い表示されていません。果物、野菜、魚、肉などの生鮮品にも表示はされませんが塩分はあります。

そのひとつひとつを正確に割り出して合算できるのは、手慣れた管理栄養士くらいのモンでしょうよ。

>食塩相当量を目安に日常の食塩の摂取を調節しましょう

「食塩相当量はナトリウムに2.54を乗じて算出します(古)」とかいってもね、その辺のオッサンがそんな面倒なことできるわけがないでしょうが(笑) 「日常の」とか、誰の日常だって話^^;

減塩を気にしている人だって表示を見て計算するくらいですよ。ベーコン、ハム、ウインナー、カマボコや竹輪なんてものに含まれる塩分量は見落とすし、ましてパンとか、そばやウドンなんて麺類とか、卵そのものに含まれる塩分とかまでは気にしない筈です。

そういう一般人が、見えない塩分まで含めた「10g」という数字をどうやって把握できるってんですよ。

おいらはBlogを始めた2006年から一貫して「塩を悪玉にしている風潮はオカシイ」というスタンスです。

そもそも【塩分のとりすぎ】という言葉自体がおかしい。
あんなショッパイ物をね、どうやれば「とりすぎる」のか?

塩を舐めてみなさいよ。
アレをどうやったら「食べすぎる」のか知りたいですね。

砂糖はあっという間に50gでも食べられますが、塩はムリ。

「和食は味噌汁や漬物に塩分が多いから気をつけるべし」
だからね、食えないし飲めないんですよ。
塩気がキツすぎると。

異常な高濃度でも平気な人は味覚が壊れているだけであって、正常な人は「すぎる」ほど食えないんです。

正常な人が「美味しい」と感じる濃度は0・9%。
1%を大きく超えると味覚が拒否反応をしめすので、自然にストップします。食えなくなって残すんです。(これゆえに、漬物の調味に砂糖を加える悪習があるのでしょう)
10%を超える梅干しを口に入れると、口の中が大変なことになるのは、正常な反応なんです。アレを何個もパクパク食べれる人は異常だということです。おおかた偏食などで亜鉛でも不足して、味覚障害を起こしてるんでしょう。

ナトリウムの浸透圧については、料理でいつも利用していますので、その理屈は理解できます。
しかし、「1+1が2である」と同じような感じで「常識」のように語られている「塩=高血圧」というメカニズムは、【証明された事実】ではないんですよ。「そう考えられている」というだけです。

「そんなことはあり得ない」という立場の研究者も少なくはないんですよ。

去年の秋(2013年)、NEJM(The New England Journal of Medicine) という米国の医学誌に、興味深い報告が掲載されました。

17カ国の10万人を対象に、約4年間の追跡調査をしたものです。
ナトリウム摂取量と、心臓病とか死亡リスクの因果関係、それが有るのか無いのか、その調査研究ですね。

その結果。
1日当たりナトリウム摂取量と、調査期間中に死亡や心臓発作などのリスク
●3000mgより少ない人は4.3%
●3000~6000mgの人は3.1%
●6000mg超の人は3.2%
●7000mg超の人は3.3%

この意味が分かりますか?
【塩分が少なすぎる方がリスクが高かった】ということです。

ある量を超えると有意な変化がみられないなど、興味深い点がいくつかありますが、この報告のもっもと重要な点は、「高血圧・心臓病=ナトリウム過剰」という常識に疑念が生じていることです。

これに慌てたのは、5g以下にしなさい、できれば3gが良いとか言っていたWHOやAHA(米心臓協会)
「その調査はデタラメじゃないのか」といわんばかりの反応でした。

ところがね、この前年にもアメリカの議会に関わっている医学研究所が面白い発表をしてるんですよ。
「ナトリウム摂取量を減らすことによって心臓血管疾患のリスクが低下することを示す証拠は見つかっていない」

だいたい5gとか3gとかね、「ぬかしやがれ」ですよ(笑)
「アンタ方のような立派な体格したグルメさんが、その量で済んでないのはひと目で分かるんですけど」とね。

「よくない和食」どころか、フランス料理にしろ、イタリア料理にしろ、三食分3~5gという塩分で「食える料理」はできませんっての。

まずは自分が5g以下で暮らしていることを証明してから言いなさいよと思うのは自分だけでしょうか。
なんかもう病的ですね、彼らの主張は。

おいらは10年以上前から疑問を感じてました。
もちろん科学的な難しい方面からの疑問を持つほどのアタマじゃありませんので、「事象面からの疑問」です。

「絶対的な証拠もないらしいのに、なんでこんなにヒステリックに減塩ばかり叫んでいるんだろう?」

何を読んでも「塩はいけません」としか書いていない。

「塩分は高血圧のもと。これは常識です」
みんながそう言う。
そんだけ断言するなら確実な証拠を出せばいいのに。

「じゃあ砂糖はどうなんだよ?」
「アレの方が問題が大きい筈だが、シカトに近いよね」
「医者が減砂糖しなさいとは言わないもの」

こうした思考もあり、どうしても変な感じを拭えなかったんです。

そりゃあね、「過剰は悪い」を否定する気はありませんよ。
でも過剰が良くないのは塩だけじゃないでしょう。
なんで塩だけを親の敵みたいな目で見なきゃいけないのか。

ウィキにはこうも書かれています
>つまり日本人の塩分過剰の習慣は非常に強固で、それを修正することすらできない人がほとんど

塩を完全に「悪玉」と信じているから、こうした言葉が出てくるのでしょうが、これほど批判的な論調が、砂糖や脂肪に対しては見られない。それは何故か、そこが不思議なんです。

砂糖に至っては、昔から、「砂糖を悪く言うのはオカルトに近く、何の根拠もない」というのがセンセイ方の常識。

日本でヒステリックに減塩が叫ばれだしたのは1980年代初期。
キャンペーン効果がピークに達した1980年代の後半には平均摂取量が11gにまで減ったことがありますが、その時期に高血圧や心臓病が減少したという記録はありません。それから20年以上になりますが、関係者の「塩憎悪」は相変わらずです。これは何でしょうかねぇ。

上の文言も、「せっかく13gから11gに減ったのに何なんだ日本人は」という苛立ちみたいなものを感じるのですけども、1~2gというのは加工食品を食べる割合が増加しただけの事で、それを差し引けば推奨値におさまるんです。

なら、塩そのものよりも加工食品に対して苛立つべきだと思うんですが、その方面(たとえば添加物)は、なぜか擁護する。

少し脱線します。

上の塩分関係のページでなく、添加物関係のページで感じたんですがね、やたらと擁護派が多く、やや閉口しました。

読みづらく、分かり難い内容から推測するに、「専門分野の研究者や専門職」が書いているのではないかと思います。

その分野に入り込みすぎて、普通人の目線や感覚を失うという現象ですね。よくあることです。掲示板の専門板なども同じようなものでしょう。

「当然のように専門用語を並べ、それがどんなモノかを伝えようという気がまったくない」などの共通した特徴があります。(料理や包丁などの話も似たようなもんですね)

【そのくらい知っていて当然】という意識も分からないでもありませんが、読み手側に立つ想像力に欠けた文章は頂けませんね。

「理解困難(難しい)な単語を使えば使うほど、優秀な文章になる」という勘違いをしているのでしょうかねえ。

その分野でしか通用しない「論」が、世間的な汎用性を持っていると思い込んでいるのはね、自分の世間知らずを公表しているようなものですよ。

そういうスタンスの文章が好きだったら、それこそSNSなどある種「閉じられたフィールド」で、同好の士だけが集まってやればよいことでね、一般人が読むような場所で書かなきゃいいだけですよ。

論文と一般向け文章の区別がつかないというのは、逆に知性の低さを証明しているということが分からないんでしょうか。

その分野で【トップクラスの人というのは誰が読んでも理解しやすい平易な文章も書ける】という事実をどう思っているのかな。そういう感想を持ってしまいます。

食品添加物の化学物質は極めて微量しか加えられていない、だから安全であると断言しているページがやたら多い。

分かりますよ、その理屈も。
しかしね、同じウィキで「公害」というワードで検索してみて下さいよと。代表的なイタイイタイ病や水俣病なんかで、何十年も裁判が続いてしまう事実をどう思うのかと言いたくなるのです。

「公害の裁判は異常なほど長期間である」
これが何故か分かりますか?

専門家がね、化学物質と病気の因果関係を絶対に認めないことが大きな理由なんですよ。
現に苦しんでのたうち回っている患者が目の前にいても、「化学物質が原因とは言えない」という姿勢を変えることはない。

最近で言うと「アスベスト訴訟」ですかね。
あれだって何十年も引っ張ってきたのは、裁判初期に権威ある学者が否定ばかりしたからでしょうに。で、患者が寿命で亡くなる頃に、やっと認めるというパターン。

もしかしたら、証言台で公害を否定した偉い先生や、当時の高級官僚などが、寿命であの世に行くまで結審を引き延ばしていたのではないかと勘ぐりたくもなります。

【安全であり人体に影響はない】
そういうセリフはね、「間違えたとき、きちんと責任をとる」からこそ信用できるのであって、いざ事が起きた場合、責任回避しかせず徹底的に逃げまわるような連中が言っても信用できるワケがないでしょうに。

もしも食品添加物で「たいへんな食害」が起きたら、「問題はない」と言い続けている方々はどうするんです?

少しくらい「過去の事件」をさらってみて下さいよ。
「大変な食害」は、この日本で何度も発生しており、殆どのケースでその原因というのは事件前に「問題はない」とされていたんですがね。

自分が商売をやっているからでしょうか、まず頭に浮かぶのは、科学者達の【研究費】のことです。

研究費というのは、彼らの暮らしや社会的立場と切り離せないものです。ステイタスでもあり、収入源でもあるからですね。ようするに「彼らのすべて」だといえるのですよ研究費は。

その研究費は、どこから出ているのか?
大別して、国家やそれに準ずる「公的な機関」と、研究成果によって利益がのぞめる「私企業」の2つになりますね。

私企業はいうまでもなく、公的機関にしても予算面や人脈面からして「企業寄りの立場」にならざるを得ない構造になっているのが実情ですから、「公的」というのはタテマエでしかありません。

表向きで公表している通りに、「自然保護」や「環境改善」や「市民の良き暮らしのため」などの研究活動を本当にやっているところも無いわけではありませんけども、そういう良心的な組織というは【低予算】なのが一般的。

低予算というのはいわば「科学界の窓際族」を意味しており、多くの学者は、こういう研究機関を「おちこぼれ」という認識で避けていますね。

予算が潤沢な、つまりステイタスの高い組織で研究できる「本流のコース」から外れてしまった「負け組」が、島流しとか左遷のような感じで行く所という認識。まあそれが実態でしょう。

おおまかに言うと、「本流」とは、将来大きな利益が見込めるような研究。対して、傍流とは「人や環境の役には立っても、直接的な利益にはならない」類の研究です。

なかには個人で研究所を運営していて、個人資産や特許料などで研究費を賄っているところもありますが、こういうのは極めて稀な例外中の例外であって、ひきあいに出せるような数ではありません。つまり特殊ケースすぎて例えにさえならないということです。

ほぼすべての科学者は、上の2つのルートによって研究費を得るしかないのが現実でしょうね。

簡単にいうと、以下のようになります。

・研究費(科学者にとって人生そのものと言える程重要)

・研究費の主な出処=企業・公的機関

・企業や公的機関は「市民(公害被害者)」から資金を得ているが、人的な利害関係がゼロに等しいこともあり、表向きはともかく本心では市民に対しての義務感などはほとんど持っていない

・これに対し、予算を出している研究機関とは人的交流関係が深く密接である

つまり、それなりの立場がある(権威)科学者にとってみれば、公害の被害者(一般市民)などは「研究(費)にまったく関係がない無縁の人々」でしかなく、それに対して「公害を起こす側」とは、密接な利害関係があるということになります。

これで「公正な科学的見解」が言えるのかどうか。
企業や国家が推進するプロジェクトの邪魔になるような「意見」を言えるんでしょうか?

まぁ、人生を棒に振る勇気がないとムリでしょうな。

少なくとも、「裁判の証人になる程の権威ある学者」というのは「主流派」ということになりますから、主流から外れてしまう恐れのある意見はまず言わないと思いますよ。

たとえ現役から引退しているとしても、それまでの学者人生を全否定されてしまうかも知れないようなリスクは負いたくない。

それが「名誉」とか「権威」の正体ですよ。

まぁ、ウィキペディアは役に立つし、感謝してますけどね。
近年はなぜか主流派の意見ばかりが目立つようになり、権力側を擁護するような論調がやや気になっております。バランスのとれた公正な記事が増えることを願いたいものです。日本のメディアにはそれが期待できませんから、せめてネットくらいマトモであって欲しいですねぇ。

(長い脱線ですんません)

欧米で研究が進んで、肥満を始め、脂肪肝やら糖尿病、はては脳機能や血管障害やガンにまで砂糖が関わっていることが分かってきた2001年以降の状況を、「砂糖は悪くない。頭に良い栄養である」とか言っていた先生方はどういう気持ちで眺めているのか知りたいもんです。

もしも将来「塩と高血圧は関係ない」ということが分かり、【過剰な減塩によって病人が増えていた】と証明されたら、いったいどうなるんでしょうなぁ。

まあどうもならんでしょうけどね。

サラッと流して終わりですわな。

患者にむりやり減塩させていた医者はもとより、厚労省のキャリアも口を揃えて、「だから塩を控えすぎたら良くないって私は言っていたんです」とか言い出したりして(笑)

ま、ともかくね、「過剰はいかん」ということです何事も。
塩のとりすぎは良くないが、「過剰な減塩」もダメだってことですよ。

心配しなくても、味覚障害の人以外は塩を摂り過ぎたりはしません。< むしろ減らしすぎのほうが問題でしょう。

揶揄的なことも書いておりますが、塩をたくさん食べなさいと言っているわけではないのです。
「10g以下にしなさい」というのが当たり前に語られる全体主義みたいな雰囲気が変だと言ってるだけです。

そんだけ確定的なことなら、絶対的な証明が必要でしょうに、それは無いなんてオカシイでしょうが。10年や20年をかければ、10万人の高血圧症患者を追跡調査して塩分との因果関係も明らかにできるでしょうに、なぜやらないのか。

このことだけは、ヤクザな魚BlogじゃなくSNSなどで言ってみたい気がしますね。フェイスブックとかツイッター、おいらもやってみようかな。

おいらが心を込めてプレゼントした包丁がヤフオクに出品されてたwwwwwwwwwwww

@魚san人 手前痛前男前

とか、ツイートしたりして(笑)
(やりませんけどね)

ヤカマシイことばかり書いたままじゃアレなんで、最後に少しだけ役に立つ知識も書いておきます。

☆塩分の摂り過ぎを自己判断する方法

10gという目安量を計算するのはシロウトには難しいと書きましけども、自分の日常塩分量なら計算なしで知る方法があります。

空腹時に、塩が添加された缶入りトマトジュースをひと口飲んでみればいいのです。

① 酸っぱさを感じ、塩味が足りない気がする
  ↓
20g以上の塩分を摂取している可能性があります
食べ物を再検討するか、自分の味覚を疑ってください

② 塩味を感じないし、ちょうど良い味だと思う
  ↓
10g以上の塩分を摂取しています

③ 塩味を感じる
  ↓
8g以下の塩分しか摂っていません
医者は歓迎するでしょうが、正常だとは思えません

②と③の中間ぐらいが正常だと言えましょう。



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手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人